アルベリーゴの新著を紹介

      ボローニャ学派の長老であるアルベリーゴの手になる 「第二バチカン公会議小史」(2005) が、日本語になって出版されました。

      ボローニャ学派の領袖アルベリーゴ教授の呼びかけによって編集され、1995年から 2001年にかけて出版された 「第二バチカン公会議の歴史(全五巻)」 は、カトリック教会における第二バチカン公会議史の集大成と言われていますが、日本語には翻訳されていないために、これまで一般信徒には近づき難いものでした。

      私が第二バチカン公会議の公文書集を学び始めて間もなくの頃、コモンチャクの1999年の講演の翻訳(神学ダイジェスト2001年冬季号所収) の中で次のような文章に出会いました。
      「草案 “啓示の源泉について” の運命について、ベア枢機卿とオッタヴィアーニ枢機卿の体験は、相異なるものであった ・・・ すなわち、前者は喜びの、後者は落胆の経験である。 これは、共通の事実 ・・・ オッタヴィアーニが準備し、ベアが反対した草案が、公会議のアジェンダから外されて混合委員会に差し戻された ・・・ に対する、異なった個人的な反応である。」
      カトリック教会で生まれ育ったのではない私にとっては、最終的に承認されて公文書となった “神の啓示に関する教義憲章” が、右傾的なのか左傾的なのか判断できませんでした。 そして、このことについて誰かに質問する機会もなく、現在に至っていました。

      今回、この小冊子が日本語になって出版されて、はじめて第二バチカン公会議の公文書集を理解するための基本的視点を、私は得ることが出来ました。 著者は、その序章で次のように述べています。
      「八十歳になろうとする今、私は自分自身に問いかけました。 “私の子供たち、特に孫たちやその年代の人たちは、半世紀前に起こったこの出来事について何を知っているだろうか” と。 こうした配慮から、詳細な分析から生まれた五巻、三千ページにもおよぶこの公会議の歴史を、もっと親しみやすいものに書き直すことにしました。」
      この小冊子の翻訳者たち自身も、公会議後の教会で育った世代であり、今や時代は新しくなっているのです。

      現在多くの小教区で、主日のミサに用いられている “聖書と典礼” が発行され始めた頃、その手引きとして同じオリエンス宗教研究所から、 “ことばとしるし” というパンフレットが月刊で出されていました。 そのころの典礼刷新への熱意の痕跡が、最近の小教区のミサからは殆ど見出せないように思うのは、私だけでしょうか。

      カトリック教会の自覚ある信者の方々に、ぜひこのアルベリーゴの新著を読んでいただきたいと思い、紹介させていただきました。

      「第二ヴァティカン公会議 ・・ その今日的意味 ・・ 」 (2007年6月  教文館 2,415円)

      なお参考に、 「第二バチカン公会議公文書全集」 は、サンパウロ から 1,943 円 で購入できます。


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