フランシスコ会訳の「聖書(合本)」



    フランシスコ会訳の 「聖書(合本)」 が、2011年8月にサンパウロから発行されました。 分冊という形で全巻の翻訳刊行がすべて完了するまでに、既にフランシスコ会聖書研究所が設立されてから46年がかかり、さらにこれを合本化するための訳文と注の見直しに9年をかけて、ついに発行にこぎ着けたものです。

    この合本では、用いられたヘブライ語やギリシア語の底本が新共同訳聖書と同じものになり、人名や地名も新共同訳聖書と同じ訳語に統一されました。 ですから、この大事業の完成をカトリックの新共同訳聖書への対抗意識で観るとしたら、それはたいへん愚かなことです。 ミサでの朗読聖書を今後、敢えて変更するメリットがある、あるいはそれを目指して発行されたということではないからです。

    新約聖書の合本初版が1979年に出版された時、そのはしがきには次のように書かれていました。 「この新約聖書が、生活の歩みの中で、日々の祈りの中で、また、キリスト者の家庭の中で座右の書となり、キリストを信じる人々に感銘を与え、その心を動かすことができますよう、研究所員一同心から祈るものであります。」  この言葉がほぼそのままの形で、今回の 「聖書(合本)」 の緒言でも繰り返されています。 このように今回の大事業の完成を理解し、特にカトリック信者の多くがフランシスコ会訳の 「聖書(合本)」 を実際に入手し、こつこつと読むことが期待されている訳です。

    どうか皆さまが、読みもしないで万歳だけを叫ぶ “愚かなカトリックシンパ(党派心による護教家)” になることがありませんように。

    このフランシスコ会訳の 「聖書(合本)」 について、そのたいへん有益で優れた特色として、次の三点を挙げたいと思います。
① 聖書各巻の冒頭に、先ず簡単な 「解説」 が付けられていること。 これは初心者にとってたいへん有り難いことです。
② 本文にかなり丁寧な注が多数付けられていること。 これによって愚かな論者のへりくつや、得手勝手な曲解が大いに抑制される効果があります。
③ 読者の興味と理解に役立つ図版や地図が、適切に配置されていること。 数はそれほど多くありませんが、熱心な読者には計り知れない助けを提供しています。

    今回の新しい訳文による ヨハネ福音書20:31 をここに記します。
「以上のことを書き記したのは、イエスが神の子メシアであることを、あなたがたが信じるためであり、また、信じて、イエスの名によって命を得るためである。」

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